人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

倫理を自覚せよ!

 
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―倫理を自覚せよ!―


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あなたは倫理について考えたことがありますか。


倫理といっても、イメージは哲学者の名前が出てくる科目名かもしれません。


だが、倫理とは人間的な生き方の最たるものだとカントやヘーゲルは言いきます。


 


 


では、どういうものなのかヘーゲルのメッセージを見てみましょう。


 


 


 


ヘーゲル『法の哲学』


//


倫理とは、現存世界となるとともに、


自己意識の本性となった、自由の概念である。


//世界の名著版


 


 


ちょっと難しいですが、次のような意味です。


この文は二つに分解できます。


倫理とは、現存世界となる自由の概念である。-A


同様に倫理とは、自己意識の本性となった自由の概念である。-B


 


 


Aから考えてみましょう。


現存世界とは何かというと、今我々が生きている現実世界のことです。


ヘーゲルが概念というときは、絶対者の持つ客観的な構造を意味します。


となると、自由の概念が、倫理を通して現実世界になるのです。


 


 


そしてBについて考えてみましょう。


ヘーゲルのいう自己意識は、主人と奴隷の弁証法にて労働が媒介として働くことが重要です。


自由の概念が、倫理をとおして自己意識の本性となる。


ここで自己意識の本性とは、主人と奴隷の弁証法では、労働して向上しようとする自己自身です。


 


 


ABを合体させると、自由の概念が、倫理を通し現実世界となり、


倫理を通し労働して向上しようとする自己自身となると言えます。


 


もちろん、これは一面的な解釈です。


 


実際のところ、主人と奴隷の関係がない社会なら、


労働を通さないで自己自身であると気付くきっかけがあるかもしれないからです。


 


 


しかし現実の多くの組織では、主人と奴隷の関係にあるため、


ここではそう言ってしまってもいいかもしれません。


 


 


ところで概念とは、絶対者の客観的な構造だと言いました。


となると、自由の客観的な構造とは、倫理そのものと密接な関係があります。


 


 


つまり倫理とは、現実世界となり、自己意識の本性となった


自由の客観的な構造だとヘーゲルは言っているので、


ヘーゲルは自由の要素として、倫理を大事にしています。


 


 


そしてヘーゲルにおいて、自由は自覚のことであり、


倫理の自覚こそが、自由の最も重要な要素だと言っているのです。


 


 


 


これがメッセージです。


あなたも倫理について再考してみましょう。


倫理とは現実の偏見や誤謬を抜き取った、


生きていくべき道のことなのです。


それを見つけることができれば、


あなたは必ず自由を感じることができます。


 


草の根平和推進者 平高橋聡

法の哲学〈1〉 (中公クラシックス)
ヘーゲル
中央公論新社
2001-11

 

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