人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

功利主義2 J・S・ミル

2021/05/13
 
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どうもこんばんは、たかはしさとしです。今日は月曜日、ということでオフィスに出勤してまいりました。はるばる大阪淀屋橋まで2時間弱かけていっってきたんです。道中寒いかなと思ったら、朝方は気温がそんなに低くなったです。ただ昼間休憩に外に出ると、寒さが身に染みるって感じでしたね。昼間もついに寒くなってきたか、さすが大寒波がやってきてるだけありますね。風邪ひかないように気を付けましょうね。でもこうして働きながら昼間食べて幸せじゃ~ってことで、昼休み中に近くの神社で感謝の気持ちを伝えてお参りしてきました。


前回の記事

前回は功利主義の祖ベンサムについてみてきました。ベンサムは量的功利主義、最大多数の最大幸福、制裁、快楽計算あたりがキーワードとしてあがっていましたね。まだ理解していない方はしっかりと読んでわかるようになってくださいね。以下のリンクからベンサムの記事に飛ぶことができます。



まだ読んでいない方は是非読んでみてくださいね。


J・S・ミルの生涯と思想

功利主義シリーズ第二弾ということで、J・S・ミルを取り上げます。ジョン・スチュアート・ミルを略してJ・S・ミルと表記します。イギリスの哲学者で経済学者でもあり、さらには歴史学者でもあります。ミルは父のジェームズ=ミルに幼いころから英才教育を受けました。3歳でギリシア語を学んで、13歳でリカード経済学の著作を読んだといわれています。ベンサムの功利主義おw学んで、1822年に功利主義協会を設立して、功利主義の普及につとめました。17歳で東インド会社に入り、職務を続ける中、研究も行いました。20歳の時に精神的危機に陥りました。ミルはそのとき音楽や絵画、詩など芸術的なものに触れることで内面的感情の豊かさを回復することに成功し、危機を克服しました。危機の克服を転機にして、ベンサムの思想を修正して、人間の尊厳と品位の感覚にふさわしい質の高い幸福の追求を説きました。

ミルはベン善悪の基準を快楽と苦痛に求めるベンサムの功利主義を継承しつつも、量的な快楽計算を批判して、快楽の質的な差を認めました。質の高い幸福を追求する質的功利主義を説きました。またミルは人間の利他的な心情や同情心を重んじて、人類社会の向上のために尽くして利他的感情を満たすところに幸福を求めたのです。さらにミルは個人の自由が社会全体の進歩につながると考えました。主著『功利主義』『自由論』


質的功利主義

質的功利主義とは、低級な快楽と高級な快楽があり、快楽には質的な差があるという考え方から生まれた功利主義のことです。質の高い快楽を求めるのが良いとミルは説きました。


内的制裁

内的制裁とは、道徳的義務に反して、他者を裏切ったときに感じる良心の苦痛のことです。誰もが持つ人々と連帯しようとする人類の社会的感情から発するものだとミルは言います。


思想・言論の自由

ミルは人間は他者に害を及ぼさない限り、自己の個性を自由に発展させて表現することができるという他者危害の原則に基づいて、個性の発展には精神的な自由が必要だと説きました。各人の自発的な成長は人類全体の進歩につながるとミルは考えます。


『功利主義』

J・S・ミルの主著で、1863年刊行。質的功利主義を説いて、人類と連帯する社会的感情や利他的感情を満たす幸福の追求を説きました。


『自由論』

ミルの主著で、1859年刊行。人間の個性の自発的な発展のために、精神的自由が必要だと説きました。

以上、ミルについてみてきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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