人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

宗教改革の時代ールターとカルヴァン

2021/05/13
 
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どうもこんばんは、たかはしさとしです。今日から新しい仕事が始まりました。トレーニングで東京から来てくれた人と晩御飯を食べに王将にいきました。おいしかったんだけど、ガラガラでしたね。夜はやはりビジネス街はそんな人いなかったなあって感じです。商売あがったりでしょう。

それはともかく、今日も一日頑張れてよかったです。前回は高校倫理シリーズでルネサンスをお届けしました。見ていない方はぜひ見てくださいね。


今回は宗教改革についてみていきたいと思います。

宗教改革が発生した要因

キリスト教カトリック教会は、贖宥状を販売したり、死後も煉獄に落ちてずっと苦しみ続けるなどの聖書にはない教義を作り出したりしました。ローマ教皇や枢機卿たちは贖宥状を販売してお金儲けに走りました。

こうしたカトリック教会の腐敗や堕落といわれても仕方ない出来事が多発しました。そうしたことを快く思わない人はたくさんいました。そうした人たちはイエス=キリストの時代や使徒たちの時代の教えに戻って、聖書に書いてあることのみを信仰の対象にしようとしました。この原典主義ともいえる態度は、ルネサンス期のヒューマニズムとも共通しています。

こうした流れから生まれた運動を宗教改革と呼びます。ルターやカルヴァンが有名な宗教改革者ですが、その前にイギリスのウィクリフやボヘミアのヤン・フスも宗教改革の先駆者たちとして知られています。まずやウィクリフやフスから見ていきましょう。

宗教改革の先駆者・ウィクリフとフス

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name=”1Txs9″>オックスフォード大学神学教授ジョン・ウィクリフ聖書の翻訳を試みました。ウィクリフは教会が財産をもっていることや、教会大分裂(シスマ)でローマ教皇が二人いたりした状況を批判しました。彼の死後ウィクリフの意志をついだ人たち(ロラード派)が改革運動をおこしました。この運動をロラード運動と呼びます。ロラード運動は失敗に終わりましたが、フスの思想に大きな影響を与えました。

プラハ大学教授ヤン・フスはウィクリフ説を奉じました。フスは、教会が贖宥状販売などを行って堕落していたことを批判しました。1415年に異端としてフスは処刑されますが、ボヘミアではフス派が形成され、ボヘミアに住むチェック人の独立を求めるフス運動がおこりました。

またフィレンツェではサヴォナローラが教会の腐敗と信仰心の堕落を嘆き、民衆の支持を得ました。メディチ家失墜後のフィレンツェ共和国の指導者となりましたが、あまりにも厳格だったため、火刑に処せられました。

ルターの宗教改革/信仰義認説

ヴィッテンベルク大学神学科教授マルティン=ルターは、1517年にヴィッテンベルク城の教会の扉に「95か条の論題(意見書)」を張り出しました。当初は神学上、カトリック教会の行動が常軌を逸しているため批判したものでした。ところがカトリックによる支配を快く思わなかったドイツの諸侯がルターのスポンサーとなり、ここに神学的な問題から外れて政治上の問題としてローマ・カトリックの腐敗が取り上げられるようになりました。そうして宗教改革の運動は勢いをつけました。ルターはローマ教皇と神聖ローマ皇帝カール五世から破門を言い渡されました。しかしルターは聖書中心主義にたつ諸侯や民衆に守られたのです。さらにルターは聖書をドイツ語訳して、近代ドイツ語を生み出しました。

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name=”27fKX”>ルターの教説で最も特徴的なのものは、信仰義認説です。ローマ1:17を深く考えて引用し、「神のよって義人(正しい人)と認められるためには、善行を行うことなどではなく、ただキリスト者として信仰を持つことによってのみである」という考えを、表明しました。信仰がすべてに先立つと考える信仰義認説はルター派の重要な教義です。そこから聖書中心主義万人司祭主義などの考え方が生み出されました。

カルヴァンの二重予定説と職業召命観

カルヴァンは人文主義の素養を身に着けつつ、プロテスタント的発言から母国フランスを追われ、スイスのバーゼルで1536年『キリスト教綱要』を出版しました。カルヴァンはフランス人なので、ラテン語とフランス語で『キリスト教綱要』を出版しました。

『キリスト教綱要』の内容は難しいため、簡単に論ずることはできませんが、カルヴァンは厳格で神への忠誠を何より大事にした人です。だから、ルターが律法を守ることより福音を重視した、と言えるならば、カルヴァンは再び「福音よりも律法を重視した」と言えるでしょう。

1536年にスイスのジュネーブに迎えられ、そこで神権政治を行いました。

カルヴァンによれば、神の救済にあずかる者と滅びに至る者が予め決められていると言います。この考え方を二重予定説と呼びます。そしてカルヴァンやカルヴァン派は天職を信じ、神によって自分に与えられた職業で懸命に働くことこそプロテスタントの存在証明となるという職業召命観を打ち立てました。

これに着目してドイツの社会学者マックス・ヴェーバーは資本主義の発展は天職概念により形成された積極的禁欲という生活態度に由来すると説きました。ヴェーバーの論考も書いてあるので、そちらも参照してみてくださいね。
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まとめ

カトリックの司祭たちは腐っている!民衆も貴族もみんなそう思っていたところに現れた男、マルティン・ルター。何やら教会の扉に意見書を張ったらしい。95条からなるようだ。なに、あのローマカトリックに対して批判的な意見がいっぱい書かれている。あのローマに対して反旗を翻すなんて、ただものじゃねえ。みんなやつについていけー。プロテスタントはこうはじまった。めでたしめでたし。

以上となります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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