デュルケームの人と業績③『社会学的方法の規準』
デュルケームによれば、社会学は客観的で冷厳なあらゆる価値判断から離れた学問でなければならない。まず社会学における認識態度として、あらゆる社会現象を「物として」見る必要がある。
社会学が取り扱う社会的事実とはもろもろの「制度」であり、制度は個人意識に対して外在的かつ個人意識に対して拘束力を持つ「行動あるいは思考の様式」である。そうした制度としての社会的事実には、「正常的」と「病理的」の区別があり、病理的とはある社会にとって例外的であり、その社会の存続にとって危険な現象のことを指す。
社会的事実の説明は社会学的になされるべきで、心理学的に説明すべきではなく、その方法としては「比較的方法」(=「共変法」)を用いるべきであるとデュルケームは考えた。