哲学って何?1
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哲学エヴァンジェリスト。
東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
正しく哲学するためには、一生に一度、自分のあらゆる持説を捨てる決心をしなければならない。
ルネ・デカルト
どうも、哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。哲学(Philosophy)の原義は文字通りには、「知恵への愛」です。より深い理解をするために行う永続的な合理的反省をさす語である、と言う人もいます。たとえ哲学の中身が合理的反省であるといっても、やはりそれは一つの解でしかないのです。
今回は哲学の持つ多面的な特性をみていきましょう。
哲学は推論で答えを見つける過程
哲学とは
あらゆる固定観念をうのみにするのをやめて、推論を駆使して自ら答えを見つけ出そうとする過程です。宗教的説明、神学的説明を良しとせず、自分なりに世界の構成要素は水であるとか、火であるとか推論を用いて見つけ出したのが古代ギリシャの最初期の哲学者です。こうしてある哲学者の考えに周りが共感し、ある「学派」が生まれます。学派の中では、たとえ師匠にあたる人物でも批判されることを恐れずに自由に討議される雰囲気が流れていたのでした。そして、実際に自由な討論が行われ、哲学が深められていったのです。
このように哲学は一人で行うものというよりかは、元来
他人と討議しあって他人の考えを吟味し、分析し、批判する中から生まれたのでした。
哲学は論争と対話の中で発展
ソクラテスは
論争と対話を特に重視した哲学者です。彼は
他人の間違った考えや見方を問いかけ、さらに深い理解を獲得し、根本的な真理を引き出そうとする方法をとりました。プラトンはその姿勢を引き継いで対話篇という方法で著作を残しています。
哲学とは存在の謎を解決しようとする試み
「存在するものすべての本性はいったいなにか?」「なぜなにもないのではなく、なにかがあるのか?」こういった現代において屁理屈に思えることに挑戦してきたのが哲学者です。
存在論と呼ばれる哲学の一分野です。「物体と違って意識があるのはなぜか?」このような
答えが出せない分野、存在の謎というべきものに果敢に立ち向かうのが哲学の特徴です。
哲学とは認識に関わるものである
「どのようにしてわたしたちは知ることができるのか?」「理性とはなにか?」哲学は世間の常識を吟味しだすと、このような問いにぶつかります。
知の本性と限界に関する研究、
認識論と呼ばれる学問分野がここから生まれるのです。
哲学とは言語に関わるものである
人間のコミュニケーションの基盤は言語です。正確に言語を用いるとはどういうことか?他人の言語の用い方を分析して、論旨が首尾一貫しているのかどうかを調べよう。このような
言語に関する問いが最近の哲学では主流になってきました。
言語哲学と呼ばれる分野です。
哲学とは概念の探索である
哲学は概念を確定しようとする活動です。古来ソクラテスの「正義とはなにか」「美とはなにか」といった単純な概念を確定しようとする問いから「
よりよく生きるとはどういうことか」という
倫理学、道徳論が生まれました。あるいは「自由とはなにか」「社会とはなにか」という問いから、近代の
政治哲学は生まれました。このように、概念の探索から様々な哲学の分野が生まれ出したのです。
まとめ1
このように、哲学は意外といろんな分野に関わるもので、大変広範なものです。だからこそ、様々な哲学者がいるわけです。自分が得意とするべき分野を作っていくと、その関連から自分の哲学の守備範囲というものがさらに広まっていきます。
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