人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

1.怨みを捨てることの重要さ

2017/09/14
 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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どうも哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。今回はブッダの『真理のことば』(ダンマパダ・法句経)のことばをみて恨みを捨てる重要性について学びましょう。

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あの人が本当の原因?

三 「あの人にバカにされた。あの人に怪我をさせられた。あの人に負けた。あの人に取られた」という思いをいだく人には、怨みはやむことがない。

四 「あの人にバカにされた。あの人に怪我をさせられた。あの人に負けた。あの人に取られた」という思いをいだくことのない人には、怨みはやむ。

五 この世においては、怨みに対して怨みで返せば、怨みがやむことがない。怨みをすててこそやむ。これは永遠の真理である。

上記のブッダのことばを意訳するとこうです。

物事をネガティブに捉える人には、怨みが永続する

物事をポジティブに捉える人には、怨みは湧かない

怨みの連鎖が苦しみを生み、怨みをすてることで怨みが生み出す苦しみはなくなる

この三つのことは永遠の真理である。

本当の原因は自分自身

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この三つのブッダのことばは現代においてどう適用できるでしょうか。

三を見ましょう。何か自分にとって悪いと思うことがあって、あの人が悪いと思っている人は怨みを蓄積させるということです。あの人が悪いっていうことは、物事の良し悪しの原因を外部要因で固めてみる人です。簡単に言うと、悪い原因を環境や人のせいにして、馬鹿にされた自分に悪い点があったと考えない人のことです。こういう人は怨みばかり心に積もらせて、他人の行動から学ぶことがありません

対して四を見ましょう。自分にとって悪いことがあって、あの人が悪いと思わない人には怨みがないということです。あの人が悪いと思わないとは、物事の良し悪しの原因を内部要因に求める人です。簡単に言うと、環境や人が悪いのではなく、馬鹿にされた自分にすべて原因があると考えるということです。どんなことがあっても、すべて自分に原因があると求められる人です。こういう人は怨みを外に求めることを恥だと思い、他人の行動から自分の悪い点を指摘してくれたとポジティブに捉えることができます

これを踏まえて五を見ましょう。悪いことが起こった原因を外部要因に求める人は怨みに対して怨みで返してしまう。だから紛争や戦争状態まで言っても本当に何が悪いかを見極められず、世から怨みや苦しみがなくなることはない。対して、悪いことが起こった原因を自分に求める人には怨みなどない。だから平和状態を体験できる。これが永遠の真理なのだ、というわけです。

苦しみの連鎖を断ち切る

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(写真は上本町の駅近くにある禅寺の不動明王)

ここから何が学べますか。

あなたの周りに集まる人の反応や、周りの環境はすべてあなたの投影なのです。だからその周りの人や環境に対してネガティブに捉えたら、当然自分もネガティブな不幸な感情に支配されます。逆に周りの人や環境に対してポジティブに捉えられたら、自分もポジティブな幸せ、平和な状態でいられるということです。ネガティブな反応に対してネガティブな反応で返せばそれは永続します。ネガティブな反応に対して、ポジティブな反応をすれば、ネガティブな反応はそこでやみます。これが真理だと言っています。

外部要因ではなく、あなたの外部要因がすべて悪いことの原因

ぼくは少し前までなんでも悪いことは自分の周りの人や環境のせいにしていました。でも今は違います。悪いことがあれば、周りの人や環境のせいではなく、ただ自分に悪い点があったと思うことができます。そうなって、周りの人や環境に感謝することができるようになり、悪いことが起こっても常に心の平安を保つことができています。あなたはどうでしょうか。自分の身に降りかかった悪いことや困難をどう捉えているでしょうか。外部要因のせいにしているなら、すぐにその態度を改めましょう!回学べた内容を短く言うと次の通りです

〇ネガティブな反応をしないよう心がけよう。ポジティブな反応こそ、心の平安を作り出し世界平和の元になる

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