人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

13.心を守る

2017/11/03
 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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どうも哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。今日はブッダの『真理のことば』(ダンマパダ・法句経)のことばをみて心を守ることについて学びましょう。

心をコントロールする

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三三 心は動揺し、ざわめき、すぐに傷つき、暴走する。叡智ある人はこれをまっすぐに制する。

−−弓矢職人が弓の形を整えるように。

三四 水の中から引き揚げられて陸の上に投げすてられた魚のように、この心は、悪魔の支配から逃れようともがきまわる。

三五 心は捉えがたく、すぐにざわめき、欲するがままに感情に支配される。その心を制することは善いことである。心を制すれば、安楽をもたらす。

三六 心は極めて見づらく、極めて細かく複雑であり、欲するがままに感情に支配される。叡智ある人は心を守るべきだ。心を守ったならば、安楽をもたらす。

あなたは心の動きを制御できますか?つい感情に支配されがちですよね。叡智のある人でも、心は動揺して、ざわつき、傷つき、暴走するのです。その心の動きをすぐに察知して制することができるのが叡智ある人であり、ブッダです。心を捉え、感情に支配されないように制することは善いことです。心の動きを見極め、心を制することで安楽があると言います。さらにさまざまな心を傷つける要因から心を守ることで、やはり安楽があります。

心の安楽〜動じない状態

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安楽とは心が安定して動じない状態のことで、何にでも喜べる状態のことです。心が動じやすい状態とは正反対ですね。ここからはぼくなりの解釈にはなるんですが、ブッダのことばの真意は次のようなことにあるのではないでしょうか。心が動ずることは、だれにでもあることです。だから泣きたければ泣けばよい。怒りたければ怒ればよい。楽しみたければ楽しめばいい。でもそういう感情に囚われすぎて次の行動を決めてはいけない。感情に囚われすぎて心がその感情に支配されたまま行動してしまうのは、執着そのものです。すぐに気持ちを切り替えて、次からは同じことがあっても動じないことを学びましょう。安楽とは感情にただ単に動じないだけではなく、学びから得るものではないでしょうか。

ぼくも同じようなことで心によく引っかかることはありますが、最近はすぐに何かあっても動じることをやめています。まずは自分ができる一歩を探しましょう。そうすることで進歩と成長があるのです。

まとめ

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今回学べた内容を簡潔に記すとこうです。

〇抑えがたい心を制し、傷つきやすい心を守るよう心がけよう。動じない心というのは、あなたの進歩と成長によって得ることができる。

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