人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

10.自分勝手に走らない

2017/10/04
 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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どうも哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。今日はブッダの『真理のことば』(ダンマパダ・法句経)のことばをみて自分勝手に走らないことについて学びましょう。

自分勝手ではなく、行動して努力する

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二六 智慧がない愚かな人々は自分勝手なことをする。しかし心ある人は、最上の宝物をまもるように、行動し努力することを守る。

二七 自分勝手に走りすぎるな。愛欲と歓楽に走るな。努力して禅定に入った人は、大いなる楽しみを得る。

自分勝手なことをしない。簡単にいうと、自分のことばかり考えて周りへの迷惑を考えずに行動してしまうことです。なぜこれがダメなのか。ここには明記されていませんが、心ある人は行動し努力することを守る、と書かれていることから、自分勝手なことは心無いことだとわかります。だいたい自分勝手な行為は、自己満足しか生みません。周りには良くない気持ちを、自分には自己満足を残すのみです。となると、仏教が掲げる「一切衆生(すべての生きとし生ける者)への慈しみ」といった行為から離れてしまいます。自分勝手な行為とは自分本位に動くことです。人間以外の生物も含めた他者の存在をいたわり、重視する姿勢を取るのが仏教ですが、自分本位に動くとこの原則が崩れるからです。だから自分勝手に走るなとここでは言われています。

智慧の二つの側面

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智慧には智慧と慈悲の二つの側面がありました。心ある人はどちらも持っています。智慧を持つ心ある人は、行動し努力することを行うのです。

自分勝手に走り、愛欲と歓楽を求める人は大いなる悲しみ、苦しみを得ます。反対に努力して禅定(瞑想)に入った人は、大いなる楽しみを得ます。愛欲と歓楽に関していえば、欲望に捉われすぎて欲望を求め行動すること、すなわち執着の代表です。仏教では執着を絶てということが目標の一つです。そして禅定とは、瞑想のことであり、精神集中することで執着を絶つことを目指すのです。大いなる楽しみとは、苦に対する言葉で、ここでは感情的な楽しみだけを指すわけではありません。むしろ本当に良い状態、ニルヴァーナ(心の平安)を指すことばだと言えるでしょう。

ぼくも自分勝手な行動によく走ってしまうので、注意して行動します。あなたはどうでしょうか?周りに迷惑をかけず、自分勝手に走るのを抑えているでしょうか。こういう言葉に出会ったときに、ふと見直してみましょう。

まとめ

今回学べた内容を簡潔に記すとこうです。

自分勝手なことをするのは愚かなこと。智慧と心ある人は行動し努力することを守る

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