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すべての人がブッダになる可能性があるー如来蔵思想の核心

 
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おはようございます。哲学エバンジェリスト高橋 聡です。最近、三枝充悳著『インド仏教思想史』(講談社学芸文庫)を読みました。インド仏教の思想史をまとめた本ということでしたが、今までぼくが学んできた内容がとてもわかりやすく整理されており、自分の中で初期仏教、上座部仏教、大乗仏教、龍樹、中観派、唯識思想といったものの位置付けがはっきりしました。

最近は般若心経について考えることが多かったので、この思想が特に関わり深いのは中観派の考え方です。次のブログ記事も是非読んでみてください。

今回この『インド仏教思想史』を読んで、ぼくがカバーしてこなかった如来蔵思想について考えてみたいと思います。早速みていきましょう。

如来蔵思想

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如来蔵とはなんぞや?如来とは、ブッダ・仏の別称です。その如来の胎、つまり如来の大元となる根源的な部分が如来蔵とか仏性と呼ばれるものなのです。大乗仏教では如来蔵はすべての人が持つと考えられるようになりました。ではその概要を知りましょう。

如来蔵思想の概要

一般に、ブッダ(仏)といえば歴史上の人物ゴータマ・ブッダを指します。ところが、ブッダ・仏という単語はもともとの意味は「覚者」という普通名詞なのです。固有名詞ではなく普通名詞なのだから、ゴータマ・ブッダ以外の他の人物にも仏がいるという思想は、初期仏教や部派仏教でも過去七仏信仰などがあります。さらに大乗仏教では釈尊(ゴータマ・ブッダの尊称)の他に、阿閦仏、阿弥陀仏、薬師如来、大日如来、毘盧舎那仏などさまざまなブッダが登場しました。

大乗仏教初期の空観派の思想から進んで、紀元後4〜6世紀に中期の如来蔵思想が生まれました。この思想を謳う代表的な経典はずばりその名の通り『如来蔵経』です。如来蔵思想は、一切の生あるものが仏になる可能性があることを明確にしました。

如来蔵の意味

如来蔵とはなんでしょう。原語はタターガタ・ガルバです。タターガタは仏の別称である如来の意味、ガルバは胎児と母胎という二つの意味があります。『如来蔵経』には、「一切の生きとし生けるものは如来の胎児である」と説かれているのです。すべての生き物は仏になる可能性がある、という意味です。

一切衆生悉有仏性

『涅槃経』はさらに進んで、すべての生き物にはことごとく仏性がある、と説いています。仏性とは如来蔵と同じ意味で、仏となる性質、可能性のことを指します。闡提と呼ばれた成仏の可能性がないと考えられていた人や生き物が当時はいましたが、涅槃経はそういう存在があることを断じて許さないのです。すべての生き物はことごとく仏になる可能性があるんだ、というわけです。尊い考え方だと僕は感じます。

如来蔵・仏性思想を通じて感じたこと

人は他人の悪い性質、性格、特質にばかり気が取られます。たとえば初期仏教の間でも「あの人はブッダを裏切った、だから成仏できない」と言って非難された人もいたでしょう。人は他人の悪い部分を見る。これはいつの世も常識です。ところが仏は人の良い特質、性質、性格を見るのです。たとえあの人は劣ったところがあるかもしれない、でもしっかりといったことを守る人だ、などなど。この良いところが伸びて仏となる可能性があるわけですから、すべての生き物は仏になる可能性を持っているんだ、というのが簡単にいうと如来蔵思想です。他人の粗探しではなく、良いところ探しをして全員仏になれる、というのはとても素晴らしい考えだと感じます。尊さも感じます。人はすぐに悪い点をみないようにすることは無理かもしれませんが、良い点を見るというのは人生を生きる上で、他人との関係を考える上で、特に大事なことではないでしょうか。

まとめ

如来蔵思想はとても崇高です。人間や生き物の無限の可能性を見つけ出し、どんな悪い人でも仏性を持つ、如来蔵を持つ、というんです。つまり仏になる可能性がない人や生き物はいないんです。

ほぼ同時期に現れた思想である唯識思想についてまとめた記事もあるので、そちらも読んでくださいね。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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