人文科学

自由型正義論の概要|サンデル『これからの「正義」の話をしよう』を読む前に知っておくべきこと2

どうもこんばんは、高橋聡です。円安が進んでいるのに加え、世界的な材料高、物価高のおかげでモノの値段が高騰しています。海外からすると、日本に資産を持っていると資産が目減りしてしまいます。外資系企業で働いているので、そういう影響もちょこちょこ出...
哲学・思想

功利主義の概要|サンデル『これからの「正義」の話をしよう』を読む前に知っておくべきこと1

どうもこんばんは、高橋聡です。秋も深まり、すっかり寒くなってきました。体調には気をつけて参りましょう。さて、前回に引き続きサンデルの『これからの「正義」の話をしよう』(以下、『正義』)を読む前に知っておいたほうがいいことをお話ししましょうと...
人文科学

サンデル『これからの「正義」の話をしよう』を読む前に知っておきたいこと

どうもこんばんは、高橋聡です。最近はブログをさぼりがちになっておりましたが、アウトプットの場が少なかったので少しずつ更新していこうと思っております。最近私自身で読書会を主催するようにもなりました。サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』...
インド哲学

企業理念についての質問に答えて

まず答えを先に言ってしまうと、経営学を問わず、古代ギリシャの自然哲学の時代から連綿と続く西洋の知的伝統においては、上位概念は最も抽象性が高いものがおかれることが非常に多いんです。つまりミッション⇒ビジョン⇒バリューと左のほうが抽象度が高いと...
仏教

日本の死生観考察

前に興福寺のお坊さんのお話をお聞きしたときに、奈良にもともとあった宗派(南都六宗)は死者の供養を行わないと言っておられたと思います。興福寺の属する法相宗はじめ、律宗や華厳宗、三論宗、さらに小乗的要素も大いに含んだ倶舎宗、成実宗というのは、難...
神社

常陸国御岩神社についてのコメント

御岩神社、面白い名前で由緒を調べたら、国常立尊などを主祭神とする神社ということで、伊邪那岐尊や伊邪那美尊なども祭っている神社なのですね。伊邪那岐尊や伊邪那美尊を祭った神社というのは日本でも有数しかないという話を聞いたことがあるので、非常に興...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/シニシズム p276 |『自由からの逃走』18

シニシズムとは、何事にも斜に構えて、世間の生活を罵倒したり嘲笑したり、常識に反することが正しいことを主張して喜びを見出すような詭弁的な生き方、態度のこと。一見するとシニシズムをとる人間は最低な人間です。件の元総理暗殺事件も京アニ放火事件も、...
哲学用語

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/懐疑主義 p276 |『自由からの逃走』17

“19世紀の終わりから20世紀初頭にかけて、ヘーゲル的合理主義の崩壊とともに、再びルネサンス期にも比すべき知的混乱が生じた。この中で生まれた種々の哲学、たとえば反合理主義的信仰主義、反形而上学的実証主義、あるいは歴史的・心理学的相対主義など...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ ヴェルサイユ条約 p239 |『自由からの逃走』16

歴史的な事件となりますが、ドイツのハイパーインフレーションと並んでナチズムの経済的な原因とされることが多い出来事ですので、ここでは取り上げます。ヴェルサイユ条約とは、ドイツが第一次世界大戦に敗れて、1919年6月に開かれたパリ講和会議におい...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ 神経症 p155 |『自由からの逃走』15

現在の精神疾患のうち、昔(DSM-Ⅲが出た1980年より前)は程度の重いものを精神病、程度の比較的軽いものを神経症といいました。現在では正式な精神疾患の病名として神経症ということばが使われることはありません。ドイツ語のノイローゼという単語は...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ フロイト(1856-1939)、精神分析 p154 |『自由からの逃走』14

フロイトの精神分析フロイトの行った臨床精神医学的な実践とその経験から理論化された理論を総称して精神分析といいます。さらにフロイトの精神分析的手法を取り入れて発展させてきたいわばフロイトの後継者たちの実践や理論も精神分析に含めることがあります...
哲学用語

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ ヘーゲル p139 |『自由からの逃走』13

19世紀初頭を代表するドイツの哲学者。主著は『精神現象学』『法の哲学』などです。ドイツ観念論(ドイツ古典哲学)の代表的論者として知られ、論理学、自然哲学、精神哲学の三部門からなる哲学体系を説きました。特にヘーゲル由来のもので知られる今でも大...
哲学用語

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ カント(1724-1804) p139 |『自由からの逃走』12

18世紀後半に活躍したドイツの哲学者。近代哲学を代表する最も重要な哲学者の一人に挙げられます。主著は『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』『単なる理性の限界内における宗教』などです。全功績と影響を語ると一日では終わらないくらい功績を...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ 二重予定説←カルヴィニズムの予定説 p70 |『自由からの逃走』11

予定説はキリスト教の神学において節目に見直される考え方です。予定説とは、”魂の救済は、人間の意志によるのではなく、神によってあらかじめ定められているとする考え”(山川出版社『世界史事典』)であるといいます。古くはパウロ、アウグスティヌス、ル...
ニーチェ

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ マックス・ヴェーバー(1864-1920)←マックス・ウェーバー p60 |『自由からの逃走』10

ヴェーバーはドイツ語読み、ウェーバーは英語読みで同一人物です。ヴェーバーは社会学黎明期におけるドイツの社会学者、思想家です。社会科学の各領域にマルクスと対照されるほど巨大な業績を遺しました。はじめは国民経済学をおさめて若くしてフライブルク大...