mixi日記

コルサール事件

キルケゴールは有名人こきおろしを得意とする新聞コルサールと対決を挑んだ。 そしてコルサールによるキルケゴールこきおろしが始まった。「二ヶ月ほどの間、ほとんど毎号のように、キルケゴールのせむしや、やせこけた足や、だぶだぶのズボンをだらしなくぶ...
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デュルケーム『社会分業論』 第一版序文

本書の目的―「道徳の科学」(=社会学)を樹立させること。 「道徳は経験的世界の諸理由によって形成され、変形し、維持されるのであって、これらの理由をこそ、道徳の科学が決定しようと試みるのである。」 科学は「行為の志向すべき方向を発見せしめ、わ...
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死と不幸と無知

気を紛らわすこと。 人間は、死と不幸と無知とを癒すことができなかったので、幸福になるために、それらのことについて考えないことにした。 ―パスカル『パンセ』 「死」について考えた人―ハイデガー エミール・デュルケーム 「不幸」について考えた人...
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書評について

mixiにも本やCD、DVDについてのレビューがあります。これがなかなか面白い。レビューはだいたいの人が一読目に見たものを書き、その印象を書き記すというわけです。 ですが、この一読目の印象について書き示すのと、何度も読んでその中の意見を組み...
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小林康夫「過去を問う知」

『未来のなかの中世』所収 「われわれは零から、無から出発することはできません」と筆者は文を始める。「文化」―「われわれにさきだってなされた無数の物事」―とは、「過去の出来事、思考、行為の結果」なのである。人間にかかわるもので歴史的でないもの...
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長谷川博子「森と泉の妖精メリュジーヌ」

今回のお話は「メリュジーヌの物語」から。要約を載せると長くなるので以下で確認してください。メリュジーヌ 一口に中世といっても、その世界をひとしなみに論ずることなどできない。中世から近代に移るに当たって、様々な領域は変化したが、その「中でも重...
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ゾシマ長老の指摘―ドストエフスキーの科学に対する見方について

最近はいつも『未来のなかの中世』所収の論稿をまとめた記事だけを載せていましたが、見てくれてる人も(あまりいないでしょうが)、書いてる方も飽きてきたと思うので少し別の切り口の日記をつけてみようと思いました。 さて、ゾシマ長老が修道僧に対して一...
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池上俊一「中世都市と水」

『未来のなかの中世』所収 現代に比べ、中世ヨーロッパでは水が大きな監視と懸念の的になっていた。水の取り合いで争いも絶えなかった。また水は交通手段、すなわち水運としても利用された。水は中世最大の政治的イシューのひとつだった。 10世紀頃には、...
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小池寿子「死の中世」

『未来のなかの中世』所収 最近はさまざまな分野で「死」についての研究が行われている。それは「生命体としての社会的人間のあり方にかかわる問題」なのである。生と死を対立概念でとらえるのではなく、「生の延長線上の死、また死にいたる緩慢な生」という...
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新倉俊一「異形の美もしくはファンタスマ」

『未来のなかの中世』所収 「中世とは、君、決して楽しい時代ではなかったよ」。 「中世人がひたすら神に帰依し、貧しいながら素朴で充実した安心立命の境地を生きていた」という見方は、幻想にすぎない。中世では、この世を支配する原理として、「二元論的...
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ジャーヴェーズ・ロッサー「なぜ20世紀末に中世を研究するのか?」

『未来のなかの中世』所収 歴史家とは「驚きを愛することができるものでなければならない」。(中世という)異質性を認めることによって、私たち自身をより理解することができる。加えて、想像力に刺激が加えられる。 中世は「さまざまな文化圏の間の相互交...
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草光俊雄「われわれはなぜ過去を問うのか」

『未来のなかの中世』所収 過去を問うとはどういうことか。「人びとは過去という創造の世界の中で、自由にたわむれたあとで、再び現実の世界に戻ったときに、空想の中で体験した出来事、祖先の体験の追体験を行うことによって、自分の中に過去から流れ来たっ...
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トルストイ『人生論』 一読目

はじめて読んだ感想は、「難しい」。よって全体をまとめることなど出来ないで、トルストイが何度も繰り返し説いている語句などを少しばかりみつつ、以下に自分がわかる範囲で大意を取ったものである。細かい部分まで汲み尽くすとなると、何遍もの読書が必要だ...
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『現代の批判』S・キルケゴール 桝田啓三郎訳

『死にいたる病、現代の批判』(中公クラシックス)『現代の批判―他1篇』 (1981年) (岩波文庫)『死にいたる病 現代の批判 』(白水uブックス) 「現代は本質的に分別の時代であり、反省の時代であり、情熱のない時代であり、束の間の感激に沸...
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格言集2

衆のあるところ、そこにまた真理がある、真理にとっては衆を味方にもつことが必要だ、と考える人生観がある。しかしそれとは違った人生観によれば、衆のあるところはすべて虚偽なのだ。…個々人が会合して群集となり、その群集が投票したり、わめいたり、騒ぎ...